抗酸化食品としてのブルーベリー
老化を促進する活性酸素は、目に対しても白内障の原因となることが明らかになってきました。単なる老化現象ではなくて、目から入る紫外線が発生源となって、活性酸素ができ、水晶体のヒアルロン酸という物質に作用して、目に障害を生じるのです。
このとき、抗酸化物質が豊富にあれば、白内障の予防に役立つことが分かってきました。
活性酸素の攻撃から身体を守ってくれる抗酸化物質にはその他、緑色のクロロフィル、赤のオレンジ、黄色のカロチノイド、赤・黄などのキサントフィルなどもあります。
それに淡い黄(または無色)のフラボノイド、そして、赤・青・紫などの花や果実の色素アントシアニンがあるのです。
ブルーベリーに多く含まれるアントシアニン色素は、デルフィニジン、シアニジンなどに区別されています。
低密度リポタンパク質(LDL)の酸化による変性をどれだけ阻害するかをみたところ、ブルーベリーの色素デルフィニジン、シアニジンは、ビタミンEやBHT(抗酸化剤である食品添加物)を上回る効果があることが明らかにされました。
この研究は、静岡県立大学薬学部の富田勲教授による「ブルーベリーの機能性に関するシンポジウム」で報告されたものです。
ブルーベリーという小果実が「目によい効果がある」との学会報告がなされてきたヨーロッパでは、目をよくする果物として知られ、医薬品としても処方されてきました。
そして、また血管をしなやかに強くする効果や、生活習慣病を予防する働きも、これまでの抗酸化食品に比べて、決して劣らないことが明らかになってきたのです。
目の障害や生活習慣病が増加の一途をたどっている日本の社会でも、この小果実の存在が大きく貢献するものと期待しています。