ロドプシンとアントシアニン
私たちの眼は夜間、網膜のロドプシン(視紅素)を使って物を見ます。このロドプシンは光によって破壊されますが、光が強いほどますます破壊は大きくなりますから、光のあるところから暗がりに移る時、私たちの「視覚の穴」をもつことになります。
暗いところでは、このロドプシンが徐々に再構成されますが、その完全な再生時間は人間で約6分後とされるのです。
ところが、暗がりに対応するのが遅くなる人は、夜間の視力が劣り、網膜のロドプシンの再生は不完全なので、夜の運転に非常に危険な「ブラックホール」を生ずるのです。
ブルーベリーのアントシアニンは、このロドプシンの再合成を促進する効果が、人体と動物によって確認されたのです。
ウサギにアントシアニン(160mg/kg)を静脈投与して、暗いところでロドプシンの量を調べると、アントシアニンを投与した群は、約10分後には暗い所でもすぐに順応しました。
一方、アントシアニンを投与していない群は、約30分後になって暗い所に順応することから、大きな差があることが理解できるのです。
ロドプシンの再合成が活発になると、
1.視覚の機能がよく働く。
2.夜間の視力がよくなる。
3.視野が広がる。
という効果が考察されるのです。
注目すべきは、アントシアニンを投与して短時間で暗順応が完成しますが、ロドプシンはそれ以上増加していかないのです。
このことは、ブルーベリーの働きが天然色素であることと深い関係があって、必要以上に作用しないから、当然副作用という点でも心配がないということを意味するのです。