ブルーベリーの9つの機能・効果
ブルーベリーは、小粒のブドウよりも少し小さく、鮮やかな濃い青紫色をした甘酸っぱい果実です。
この果実の収穫は6月から9月ごろまでですが、日本でも最近スーパーなどでも販売されるようになってきました。生のまま果皮と種子ごと食べられるだけでなく、ジャムやジュースにも利用されています。
欧米では古くから健康によいとして、この果実は愛用され親しまれてきました。
ブルーベリーの食品としての特長は、ほのかな香りと甘酸っぱい味、さらに粘性を示すペクチン質に富み、食物繊維が他の果物に比べても非常に多い点です。100g中に4.5gも含まれていて、種子ごと食べられますから便秘の解消によい効果を示し、また整腸作用と大腸ガンの予防に役立つとされています。
またビタミンではビタミンCを、ミネラルではカリウムやマグネシウム、さらに微量ミネラルで重要な亜鉛や銅、マンガンなど抗酸化ミネラルも多く含んでいます。
そして、最近特に注目されてきたのは、アントシアニンという色素がブルーベリーの皮の部分に多く含まれているということです。
この青紫色の成分であるアントシアニンが、人体に非常によい働きを持つことが明らかにされてきたからです。
ブルーベリーに含まれるアントシアニン色素には、15種類あることがさらに分かってきました。そしてこのアントシアニン色素は、改良種よりも野生種のほうが約10倍多いことも明らかになったのです。
ブルーベリーの果実や葉のエキスは、古くから糖尿病だけでなく、壊血病や泌尿器病の治療にも使用されてきました。しかし、目に対しての効果はまだ知られていませんでした。
第二次世界大戦中に、イギリス空軍のパイロットが、大好きなブルーベリージャムを多量に食べると、「薄明かりの中でも敵の飛行機がよく見えた」という証言から、航空関係の医師や研究者の興味を引き、目に対する生理機能が注目されてきたのです。
ブルーベリーに多く含まれる青紫色のアントシアニン色素によって、大きく影響されると分かってきたのでした。
ブルーベリーエキスは、ヨーロッパでは医学的に多くの研究報告が提示され、約40年も前に最初イタリアで(1976年)、医薬品として承認されることになったのです。そして、その使用量は増加し評価はさらに高まってきたのです。
ブルーベリーの全ての生理機能を要約すると、次の9項目になります。
1.眼の網膜のロドブシン(視紅素)の再合成を促進する。
2.暗さに順応する視力を促進する。
3.毛細血管を保護する。
4.ビタミンPに似た作用を示す。
5.活性酸素を消去する働きがある。
6.潰瘍に対し治癒を促進する。
7.循環器系機能を改善する。
8.炎症の治癒を促進する。
9.コラーゲンの合成を促進する。
これらの研究は、1960年から開始されましたが、当初ヨーロッパの野生種ブルーベリーを用いて、多くの研究が行われました。
野生種ブルーベリーのアントシアニン色素は、VMA(Vaccinium Myrtillus Anthocyaninの略)で示されています。